Smiley face
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イランの弾道ミサイルの直撃を受けたイスラエル北部タムラの3階建て住宅。中にいた5人のうち4人が死亡したが、防護室にいた1人は助かった=2025年7月3日撮影

 枕元の携帯電話が、けたたましいアラーム音をたてて振動する。

 寝ぼけ眼で確認するディスプレーには、ヘブライ語が表示されている。「防護室に入ったら、新たなメッセージがくるまで離れてはいけません 民間防衛軍」。民間防衛軍は、緊急事態下で民間人保護を任務とするイスラエル軍の組織だ。

 イスラエル軍は6月13日、イランの核施設や軍事施設などを標的とした空爆に踏み切った。これに対し、イラン側も弾道ミサイルをイスラエル各地に発射して応戦した。12日間にわたる交戦の間、私はエルサレムのホテルに滞在していた。深夜、未明に何度も鳴るアラームで目を覚まし、防護室に指定された部屋に急ぐことになった。

音速の9倍で近づくミサイル 「生き残れるだろうか」

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イランの弾道ミサイルでダメージを受けたイスラエル中部バトヤムのアパート=ロイター

 ホテルでは約100室のうち…

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