熊本県の木村敬知事が昨年3月の知事選で当選後、病院などにコチョウランを渡し、公職選挙法違反(寄付の禁止)の疑いで刑事告発されていた問題で、熊本地方検察庁は5月30日付で、嫌疑不十分で不起訴にした。
公選法は、政治家や選挙に立候補しようとする人が選挙区内で寄付をすることを禁じている。木村知事は選挙後、当選祝いで届けられたコチョウランの鉢を、知人が運営する病院や福祉施設などに手渡していた。
これを受けて、市民団体のメンバーなどが昨年6月、告発状を提出し、受理した県警は熊本地検に書類送検していた。不起訴について熊本地検は「捜査を尽くしたが、告発事実を認定するに足りる証拠が得られなかった」とのコメントを出した。
木村知事は「選挙事務所を引き払わねばならず、自宅は手狭なので、知事公邸に移るまでの間、(コチョウランを)預けさせてもらった」と説明していた。不起訴を受け、「主張を理解して頂いた結果だと受け止めている。今後は誤解を招くことのないよう心がけたい」とのコメントを発表した。