三笠宮家の彬子さまは27日、東京都豊島区の学習院大学で、「手袋と帽子が伝えてくれるもの」と題し、19世紀ヨーロッパの宮廷衣装をもとに整えられた女性皇族の装いについて講演した。
同大の「霞(かすみ)会館記念学習院ミュージアム」で開催中の展覧会「華族文化 美の玉手箱」に関連する講座の一環で、天皇陛下も聴講した。陛下は皇太子時代、同ミュージアムの前身である同大史料館で客員研究員を務めていた。
彬子さまは、帽子は出向いていく側が着用して迎える側はかぶらないことや、手袋は式典であいさつを述べる際などは手に持つのではなく装着するといったマナーを紹介。現在のヨーロッパの王室ではあまり見られなくなっている習慣も、「日本の皇室では脈々と生き続けています」と語った。
祖母の故・三笠宮妃百合子さまから帽子にまつわる話を聞いたり、手袋を受け継いだりした経験から「伝統のバトンを受け取らせていただいた。意味をしっかりと理解し、バトンを次に渡す努力をしていかなければと思っております」と締めくくった。