家具・インテリアチェーン大手のニトリホールディングス(HD)が6月、中国本土で100店舗目となる店を出しました。初出店から10年での大台ですが、8年後には店舗数を900店にまで増やすことを見込むといいます。中国経済の減速が目立つ中での、「逆張り」にも見える強気の戦略をどう描くのでしょうか。現地法人「似鳥(中国)投資有限公司」トップの杉浦栄総経理(社長)に聞きました。
――中国での出店を加速させています。
「中国への進出は、比較的遅かったと言えます。初出店は2014年、中部の武漢からでした。その後、上海などの華東地区、深圳などの華南地区、成都や重慶といった西南地区と展開してきました。北京にも22年に進出し、いまは全国14エリアへ出店しています。6月に重慶で開いた店舗が100店目となりました」
――ここまでは順調ばかりとも言えませんでした。19年ごろには中国の報道で、ブランドの知名度が低いことなどから「苦戦」と伝えられたこともあります。
「19年前後に、出店のスピードに人材の教育が追いつかず、なかなか店長を任せられるような人材が育っていない状況となりました。そこで、一回出店を止めて、教育投資をすることにしたんです。大体2年くらいで店長になれる教育システムを作りました」
「当時は中国独自の商品も多かったのですが、これを見直し、日本などとの共通化を図りました。中国のすごく安い製品というのもあるのですが、こちらの方も目は肥えてきています。(世界との)共通化した商品を取り扱うのが中国市場では差別化になると考えました」
――さらに、20年からのコロナ期を迎えます。
苦難の経験、消費者に起きた変化
「どの小売業も厳しかったと…