後継者がおらず廃業しかねなかった静岡県沼津市の町工場の経営を、東京都内で同業に務めていた西島淳さん(44)が引き継いだ。親族以外の第三者による事業承継は事業者同士が一般的。個人による承継の道も広まりつつある。
1979年創業の大和化工機は、溶接や曲げ加工が強みのプラスチック部品加工会社だが、後継者が見つからなかった。2代目社長が三島信用金庫に相談し、日本政策金融公庫に持ち込まれた。
一方、伊豆の国市出身の西島さんは、都内で同業の会社に18年ほど勤務。管理職で、ものづくりに直接関われないのがもどかしく、独立を考えていた。ただ、一から会社を立ち上げるには設備投資のお金や販路が壁になる。承継による創業ができないかと昨年7月、公庫の「事業承継マッチング支援」に登録した。
西島さんが初めて会社を訪れ…