得票率95%――。26日に投開票された山形県知事選は、現職の吉村美栄子氏(73)の圧勝に終わった。4年前の知事選では全国初の女性対決で自公が推薦した候補にダブルスコアを上回る大差で勝利している。知事就任前は政治経験が乏しかったにもかかわらず、5選は女性知事では初めて。その強さの理由とは?
- 山形県知事選で吉村美栄子氏が当選確実 女性知事の5選は過去最多
初当選は2009年。本職は行政書士で、県教育委員などを務めたが、政治経験はゼロといっていい。親類に元山形市長らがいて選挙の苦労は知っていて、政治家は「もともとなりたくない業種だった」と吉村氏は語る。それが、08年にボランティアとして参加したスポーツ大会の仕事ぶりが政界関係者の目に留まり立候補の打診を受けた。「悩みに悩んで決断した」という。
選挙戦では、当時現職だった対立候補の財政再建策などを「冷たい県政」と批判し、「あったかい県政への転換」を訴えた。1万票差の接戦を制し、東北初の女性知事となった。現職を推した自民党との対立はあったものの、13年は自民県議の多くが吉村氏の支持に回り、無投票に。17年も自民が「全力で戦える態勢が整っていない」などとして候補者擁立を見送り、連続無投票で3選。自民が対立候補を擁立した前回21年は大差で勝利した。
自民県連会長のぼやき
異例なのが、自民が今回を含め3度、対立候補を立てなかったことだ。県議会では予算案や人事案をめぐり、対立してきたのになぜなのか。
吉村氏を支持する首長は、か…