水槽に入浴剤を入れて火山の噴火を再現する実験をした=2024年7月12日午前9時40分、長野県木曽町三岳の「さとテラス三岳」、高木文子撮影

 御嶽山の噴火災害の教訓を伝えるビジターセンター「さとテラス三岳」(長野県木曽町)で12日、地元の町立三岳小学校の5年生の授業があった。御嶽山の噴石で穴が開いた壁の遺構なども見学し、火山の恐ろしさや地域にもたらす恵みを学んだ。

 御嶽山では2014年の噴火災害で58人が亡くなり、5人が行方不明になった。授業では、御嶽山の「火山マイスター」の一人で、町職員の野田智彦さん(38)が講師を務めた。炭酸飲料や入浴剤を使って溶岩や噴煙、火砕流の仕組みを学ぶ実験もあり、子どもたちは身を乗り出して見入った。長崎県の雲仙・普賢岳の火砕流の映像は息をのんで見つめた。野田さんは「火山の仕組みは面白いが、人や社会に悪い影響を与えると災害になる。温泉など火山のふもとだからこそ得られる恵みもある」と語りかけた。

 授業を受けた井ノ上佳祐さんは、火山の噴火警戒レベルの情報に関心があるという。「10年前の噴火でたくさんの方が亡くなったことを忘れずに、どうすればいいか学んでいきたい」と話す。5、6年生は来月、御嶽山に登って自然環境や避難施設について学ぶ。(高木文子)

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