(27日、秋季近畿地区高校野球大会準々決勝 東洋大姫路4―0大阪学院大)
今秋の公式戦初打席は近畿大会準々決勝だった。東洋大姫路の6番打者の白鳥翔哉真選手(2年)は野球ができる喜びをかみしめていた。
二回1死二塁、3球目の変化球を振り抜く。中前に抜けると先制の適時打になった。
今夏の兵庫大会は主力野手で出場した。準決勝で敗れた直後、左足に痛みを感じた。病院へいくと足首の疲労骨折と診断された。
治療には2カ月を要した。野球をしたい気持ちを抑えつつ、体幹トレーニングを続け、プロ選手らの打撃の動画を見て「打てる打者の共通点」を研究した。「けがだからできること」を見つけるように心がけた。
チームは秋季県大会で17年ぶりの優勝を果たした。しかし、その場面はスタンドから見届けた。「仲間はすごく頼もしかった」。その一方で「一緒にグラウンドに立ちたかった」という思いがこみ上げた。
近畿大会準々決勝への出場は、待ちに待った瞬間だった。二回の適時打に続き、六回には二塁打を放ち、その後、貴重な追加点となる本塁を踏んだ。チームの勝利に貢献した。
近畿大会4強入りしチームは3年ぶりの春の甲子園出場へ大きく前進した。「甲子園でどうやって勝つかを考えながら、ここまでやってきました」。来春に思いをはせた。(原野百々恵)