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4月3日に行われた沼須人形芝居あけぼの座の公演=群馬県沼田市
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現場へ! 伝統芸能をつなぐ③

 継続して伝えることが重要とされる祭りや伝統芸能だが、いったん途絶えたものが復活することもある。

 養蚕業で栄えた北関東の群馬県は、農村部を中心に様々な伝統芸能が残っていることで知られる。中でも強い存在感を示すのが人形芝居だ。群馬県教育文化事業団によれば、みなかみ町、渋川市、沼田市、高山村、安中市などで活動が続く。

 渋川市の「津久田人形芝居桜座」は休止と復活を繰り返してきたが、一昨年と昨年、本来のホームともいえる桜森八幡宮境内にある文化8(1811)年建造の人形舞台での公演を約半世紀ぶりに実現。享保8(1723)年とされる誕生から300年という座の節目を祝った。

 活動の中心となっているのは2013年再結成の「津久田人形操作伝承委員会」のメンバーだ。須田昭司副委員長(72)によると、津久田の人形芝居は3人で人形を操る文楽の系統を引くもので、戦後の1950年代には「農民文楽」として全国から注目を集めたが、後継者不足で70年代に休止。96年に伝承委員会が組織されて再出発したものの、2006年から再び休止となった。

 今の伝承委員会は、12年に…

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