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当選確実となり、バンザイをする遠藤彰良氏(中央)=2024年4月7日午後8時17分、徳島市南出来島町2丁目、内海日和撮影
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 徳島市長選が7日投票され、前職で元四国放送アナウンサーの遠藤彰良氏(68)が、新顔で前自民党衆院議員の福山守氏(71)=国民民主推薦=を破り、返り咲きを確実にした。

 2020年の前回市長選で「全国最年少の女性市長」として当選した内藤佐和子市長(40)は告示前に立候補を断念し、内藤氏を支持する有権者の票の動向が焦点の一つとなった。

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 遠藤、福山両氏はともに無所属での立候補だが、自民党員として活動してきており、事実上の保守分裂選挙だった。

 当選確実の一報が伝わると、徳島市内のホテルに集まった遠藤氏の支援者らは総立ちとなり大きな拍手。遠藤氏はマイクを握り、「(前回市長選の落選から)4年間、たくさんの人に支えられてきた。本当にありがとうございました」と繰り返し感謝の言葉を述べた。

選挙戦では内藤市政批判を前面に

 その上で「市役所の職員が上の顔色をうかがって仕事をしている。職員は市民のほうを向いて仕事をしなければいけない。その姿勢を変える」と述べた。

 遠藤氏は、四国放送の元アナウンサーという知名度を生かし、16年の市長選で初当選。再選を目指した前回市長選で、内藤氏にわずか1999票差で苦杯をなめた。

 4年ぶりの市長選では、内藤氏が不出馬でも内藤市政の批判を前面に打ち出す姿勢は変えず、「どなんぞせなあかん」と市民に訴えかけた。

 具体的には、内藤市政下で、自らの市長時代の取り組みを否定する形で阿波踊りの運営委託先との契約が解除されたり、ごみ処理場整備の「周辺市町との広域化」の方針が「市単独」へ切り替えられたりしたことを「市としての信頼を失った」と断じ、「市政をリセット」と訴えた。

福山氏、市長派市議の一部応援も得たが

 前回市長選で、衆院議員だった後藤田正純知事の支援を受けた経緯もあり、長年の懸案となっている県立新ホールの建設予定地変更を含め、後藤田知事が主導するまちづくり構想などで県市が協調していくこともアピールした。

 自民、立憲、維新、共産各党の市議らに幅広く支えられ、内藤市長のリコール(解職請求)運動を進めた「リコールの会」のメンバーらの応援も得た。

 福山氏は、市議、県議、衆院議員として35年間議員活動を続けた実績をアピールし、市長選に初めて挑んだ。

 「対立の市政のために古里のまちづくりが停滞している」という考えから、遠藤氏と内藤氏の反目からは距離を置き、「対立から安定へ」を旗印にした。人口減への危機感から「子育て日本一の環境づくり」として給食無償化などを公約に掲げた。

 前回市長選で衆院議員の立場で内藤氏を支援した経緯から、内藤氏とは支持層が重なっていた。内藤氏の不出馬によって、内藤氏を支えた「市長派」市議の一部の応援を得たが、遠藤氏を支援しなかった市議がこぞって福山氏を支援する流れにはならなかった。(東孝司)

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