徳島県立近代美術館は25日、フランス人画家ジャン・メッツァンジェの油彩画「自転車乗り」とされた所蔵作品について「贋作(がんさく)と断定した」と発表した。「伝説の贋作師」と呼ばれるヴォルフガング・ベルトラッキ氏の作品とみている。

 同美術館によると、ベルトラッキ氏を詐欺罪で立件したドイツ警察からの情報のほか、メッツァンジェの著作権管理団体が鑑定書を誤りと判断していること、ベルトラッキ氏がメディア取材などに対して自身の作品と認めていることなどから総合的に判断したという。顔料の分析といった県独自の科学調査は今後実施する。

 東條揚子館長は記者会見で「これまで鑑賞して頂いた皆様にご心配やご迷惑をおかけすることになり、申し訳ない」と陳謝した。作品は展示を取りやめているが、県民に説明する観点から公開を検討しているという。

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