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記者会見する兵庫県立こども病院の飯島一誠院長(中央)ら=兵庫県庁、高木智也撮影

 兵庫県立こども病院(神戸市中央区)は、先天性の心疾患がある未就学の男児の手術で、脳に空気が入って血流を妨げる医療過誤があったと25日発表した。男児は高度の脳障害を負ったという。

 病院によると、手術は、人工血管を使って心臓を介さずに静脈血を肺動脈に直接つなげるもの。

 昨年5月、医師らが手術の中で、肺動脈と人工血管をつなげる際に空気が体内に流入し、心臓と人工血管の間の4ミリほどの穴から、心臓内へ空気が入り込んだ。空気は脳へと流れ込み、男児は術後、けいれんを起こして高度の脳障害を負い、重度の後遺症が残ったという。

 外部の医師らを交えた医療事故調査委員会での検証結果を踏まえ「高度の脳障害は、手術時に心臓内に空気が入り込んだことによる脳空気塞栓(そくせん)が原因」と結論づけた。

 男児は術後、歩くことができなかったが、リハビリによってつかまり立ちができるほどには回復しているという。

 病院は再発防止策として「継続的な術中モニタリングなど、リスクを低減させる手術手順に見直した」などとしている。(高木智也)

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