「私の視点」 加藤恵津子(かとうえつこ)さん 国際基督教大学 ジェンダー研究センター副センター長

 埼玉県の公立高校(主に進学校)の共学化をめぐる議論が、男女共同参画の視点から続いているが、「ジェンダー平等と共学・別学は全く違う話」との指摘がある(本紙8月18日教育面)。別学でも男女平等社会に寄与できるということだ。

 ただしそれには、男子校に根本的な改革が必要と思う。まず男子校では管理職にも一般教員にも女性が著しく少ない(2022年度の埼玉県立男子校〈全日制〉の管理職の女性は0%、一般教員では19.3%)。これでは男子生徒が女性指導者に敬意を持つ機会が限られる。一方、女子校では、女性教員は47%、女性管理職は十分とは言えないまでも32%である。ここで女性教員は、知的専門職のロールモデルである。

 次に、現役生や卒業生が「別…

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