鳥取藩の忍者に関する論文を執筆した「徳川家康と服部半蔵忍者隊」の凛さん=本人提供

 名古屋城などを拠点に活動する観光PR隊「徳川家康と服部半蔵忍者隊」で忍者に扮する女性が、鳥取藩の忍者をテーマにした論文をまとめた。江戸時代に鳥取藩で忍者がどのような活動をしていたのか、その一端を明らかにした。

 論文を執筆したのは、忍者隊での活動名・凛(りん)さん=本名非公表。慶応大を卒業後、運動神経を生かそうと2017年5月、「徳川家康と服部半蔵忍者隊」に加入した。

 忍者アクションで観光客らを楽しませるなか、「忍者の史実についてしっかりと学びたい」と考えるようになった。19年4月、専門科目に全国で唯一「忍者・忍術学」がある三重大大学院に入学。鳥取藩主の池田家に伝わる大名家文書「鳥取藩政資料」などをもとにして、約2年間かけて論文を完成させた。

 論文によると、鳥取藩で忍者は主に「御忍(おしのび)」と呼ばれていた。忍者の仕事で最も重要だったのは、情報収集活動だ。1853年のペリー来航の際には、相模国(神奈川県)へ派遣されていた。ほかに藩内で百姓一揆が起こった際にも、忍者が向かっている。

 任務を終えた忍者には、藩主…

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