金沢錦丘―金沢伏見 九回、金沢伏見の吉田が三塁打を放つ=2025年7月12日午前11時12分、金沢市民野球場、砂山風磨撮影

(12日、全国高校野球選手権石川大会1回戦 金沢錦丘7―0金沢伏見)

 金沢伏見の主将でエース、吉田光汰投手(3年)は、ベンチからのスタートだった。1週間前に腰をけが。マウンドを仲間に託し「自信持って投げて」と声をかけ続けた。

 しかし、金沢錦丘に6点をとられて、監督に「何とか投げたい」と直談判。七回から2番手で登板し、三者凡退に打ち取った。「0点に抑えられてうれしかった」

 九回には無死二、三塁のピンチ。守備のタイムでメンバーが集まり、再び守備位置に戻ると、マウンドには吉田投手の笑顔があった。「勝負が面白く感じていた」。犠飛で得点されたが、最少失点に抑えた。

 その裏の攻撃で「絶対に出塁してやる」と打席に立ち、真ん中のカーブを振り抜いた。「二塁打かなと思ったら意外と遠くに飛んだ」。三塁で大きくガッツポーズをつくった。惜しくも後続が断たれ、背番号1の夏は終わった。「みんなにありがとうと言いたい」とほおを緩めた。

 将来は救急救命の仕事を目指している。「野球も医療もチームプレー。野球と同じように、コミュニケーションを大切にしたい」と話した。

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