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東目屋中学校の吹奏楽部員。(前列左から)管打四重奏の三浦悠吏伽さん、若松千聖さん、三浦穂稀さん、石ケ森結さん=2025年1月11日、青森県弘前市、渡部耕平撮影
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 大切な人に手紙を送るような気持ちで、丁寧に音を紡いでいく。青森県弘前市の東目屋中学校の管打四重奏の響きは、家族への感謝や仲間への思いやりの心にあふれている。18日の吹奏楽の県アンサンブルコンテストで披露する曲は「3つの手紙」。思いのたけを演奏に込めて届けるつもりだ。

 東目屋中は岩木山のふもとにある、全校生徒61人のこぢんまりした学校。生徒たちは地元のリンゴ栽培も手がけ、地域にはぐくまれながら成長している。

 吹奏楽部は12人。きょうだいのように仲が良く、演奏も息が合っている。コンテストに出場する2年生の4人は、時には1人ずつ演奏したり、時には2人のペアで練習したりして、おたがいの音色を聴き合いながら、響きを磨いている。

 曲は、主人公がお世話になった人への気持ちを手紙につづりながら、ともに過ごした日々を振り返り、未来に向かって歩き出すまでの心象風景を描いている。

 マリンバを担当する部長の石ケ森結(ゆう)さんは、高校3年の姉を思い浮かべながら演奏する。姉は大学進学をめざしていて、この春には家族から離れていくかもしれない。

 「私の面倒をよく見てくれて、楽しい思い出をたくさんつくってくれました。感謝の思いを、演奏で伝えたいです」

 アルトサックス担当で副部長の若松千聖(ちさと)さんと、テナーサックスの三浦穂稀(ほまれ)さんは、両親のために心を込めて演奏したいと話す。

 若松さんは「演奏会のたびに、成長をほめてくれた。今まで育ててくれて、ありがとう。その気持ちを音色で表現します」。三浦さんも「いつも私を支えて、助けてくれた。思い出を懐かしむような音を届けたい」と思い描く。

 フルートの三浦悠吏伽(ゆりか)さんは、3年生を思いやる。昨年のコンテストで、上級生たちは体調不良のため出場できなかった。「練習してきた先輩の思いも一緒に、温かくて優しい音色を響かせたい」と願っている。

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 第49回青森県アンサンブルコンテスト(県吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)は18、19の両日、八戸市の「SG GROUP ホールはちのへ」(八戸市公会堂)で開かれる。18日(中学生、大学の部)、19日(小学生、高校、職場・一般の部)とも午前10時開演。両日とも前半・後半入れ替え制で、入場料は各800円。

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