(23日、第107回全国高校野球選手権千葉大会準々決勝 市船橋8―1東海大浦安)
立ち上がりは好調だった。
東海大浦安のエース根津結斗(3年)は前日、9回124球で相手を完封。それでもこの日朝の腕の可動域チェックでは何の問題もなかった。
一回は安打を許しつつも無得点、二回は三者凡退で市船橋の攻撃を終わらせた。だが三回、制球が定まらず四死球で一死満塁のピンチを迎え、連打を浴びるなどして4点を許した。
しんどく、苦しい。だがマウンドに立つと、スタンドからいつも聞こえる仲間の応援があった。ベンチに入れなかった3年生も多い。「全員の思いを背負って、絶対投げる」
六回には1点を失ったものの、相手の強打者花嶋大和(同)を三振に抑えるなど、要所を締め、八回にマウンドを譲った。
三回のイニングに悔いは残る。それでも「よく自分を使ってくれて成長につながった。この3年間は最高の時間だった」。ノーシードから8強に勝ち上がり、588球を投げた夏が終わった。=県SC