急性骨髄性白血病になって21日経ったマウス。光の強さが腫瘍量を反映している=保仙直毅・大阪大学教授提供

 がん細胞を攻撃するように遺伝子導入した免疫細胞をつくり、急性骨髄性白血病(AML)のマウスに投与したところ、再発を抑えることができたと、大阪大学の研究チームが発表した。抗がん剤が効かず、造血幹細胞移植を受けた患者に対し、再発を防ぐ効果が期待できるという。

 AMLは血液をつくる造血幹細胞に異常が起きる血液がんの一つで、抗がん剤だけでは治らない場合も多い。造血幹細胞を移植することもできるが、がん細胞が残った状態で移植した人は再発のリスクが高く、10年生存率は30%を下回る。

 阪大の保仙直毅教授らの研究チームは、患者の半数が持っている白血球の型(HLA)にくっつく抗体を特定し、これをもとに「T細胞」や「NK細胞」といった免疫細胞をつくった。移植を受けた患者の正常な血液細胞は攻撃せず、白血球細胞だけを攻撃するはたらきを持つ。それをAMLのマウスに投与したところ、腫瘍(しゅよう)が消えたという。

 T細胞を使った細胞療法はC…

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