Smiley face
写真・図版
1967年、ペリリュー島の洞窟内で、焼けただれた遺骨を拾う厚生省の遺骨収集団員=1967年撮影

 第2次世界大戦による海外の戦没者は約240万人にのぼる。国の事業で集めた遺骨は今年3月末までに約34万柱。戦後の復員や引き揚げの際に持ち帰られた遺骨と合わせて約128万柱になるが、半数近い約112万柱はいまだ海外にある。

収集可能は最大で約59万柱

 海外の遺骨のうち、約30万柱は海の底、約23万柱は相手国の事情で集めるのが難しい状況にあり、収集可能な遺骨は最大約59万柱とされている。

 国による収集は、サンフランシスコ講和条約の発効で日本が国際社会に復帰した1952年から、断続的に続けてきた。条約発効後も米国の管理下に置かれた沖縄と硫黄島も対象となった。

 当初は主要な戦域を船で回り、遺骨の一部を集めた。その後は、主に遺族や戦友、現地からの情報を頼りに収集を進めた。

 年月が経ち、関係者から寄せられる情報が減るなかで、国は海外での聞き取り調査に力を入れた。2010年に米国公文書館の資料を元に、硫黄島で約2千人が眠るとされる集団埋葬地が発見されると、海外に保管された資料を集中的に調査した。

写真・図版
地域別の戦没者数と遺骨収集状況

遺骨収集「国の責務」 前途は多難

 16年に議員立法で成立した…

共有