年の瀬も迫った昨年12月半ば、ある長身の男性が、日本の自動車大手7社のトップらと相次ぎ面会していた。
男性はその夜、自身のSNSを更新。電気自動車(EV)への投資の加速を話し合ったと明かし、「サポートする準備が整っていると確信している」と書き込んだ。
この男性は、昨年8月に就任したタイのセター・タウィシン首相(当時)。東京で開かれる日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別首脳会議を控え、来日していた。
不動産開発企業センシリの元社長で、同社を業界大手に育てあげた。各国首脳にとどまらず、企業のトップらとも積極的に面会し、投資を呼びかける姿から「セールスマン」(米タイム誌)とも称された。
■EVでも「アジアのデトロイ…