パキスタンのラワルピンディで2025年5月10日、爆発が起き、炎と煙が上がる=ロイター

 紛争の収束が見通せないと見られていたインドとパキスタンが、急転直下で停戦合意に至った。仲介に乗り出したのは、米国のトランプ政権だった。トランプ大統領は10日、インドとパキスタンによる即時の停戦合意が「米国の仲介による長い協議の夜」のあとに可能になった、と自身のSNSへの投稿で強調。「両国が常識と優れた知性を用いたことを祝福する」と述べた。

  • インドとパキスタンが「即時停戦に合意」 トランプ氏らSNSに投稿

 米国はともに核保有国である印パの軍事的緊張の高まりを懸念してきた。パキスタン側では、陸軍総司令部(GHQ)にも近い首都近郊の軍基地がインドに攻撃され、10日に核兵器の運用を担う「国家司令本部」の開催が一時取りざたされたほど危機が深まっていた。トランプ氏には米政権として仲介に乗り出すことで、停戦を自身の成果としたい考えがあったとみられる。

早期の収束と安定、米国にも利益

 トランプ氏は就任前から、ロ…

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