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えひめLGBTセンター虹力(にじから)スペースの入り口=レインボープライド愛媛提供

 私って性的マイノリティーなのかな――。そんなふうに自分のセクシュアリティー(性のあり方)に悩む子どもたちを支える当事者団体が松山市にある。NPO「レインボープライド愛媛」。運営する交流施設には、夏休みを機に相談に訪れる子も少なくない。

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 松山城にほど近い場所にある「えひめLGBTセンター虹力(にじから)スペース」。大通りに面してアクセスも良い。利用者は日当たりの良い部屋でお茶を飲んで寝そべったり、持参した弁当を食べたり、思い思いに過ごせる。

 2007年に活動を始めたレインボープライド愛媛が13年に開設した交流支援施設。当事者たちが安心して集まったり、LGBTQなど性的マイノリティーについて学んだりできる。親からの相談も受けている。

 普段は大人の利用が多いが、夏休みになると保護者と訪れる小学生や、1人で立ち寄る中高生が増える。代表のエディさん(55)は「長期休みは自分と向き合う時間が長くなる。自分を知ろうと勇気を出す子も増えるのかもしれない」と言う。

リアルで寄り添う場で、しんどさを言葉に

 エディさん自身がゲイ(男性の同性愛者)と気づいたのは小学校高学年のころ。親にも世間にも受け入れられないと思い、隠し続けた。自分を否定し、苦しんだ。だから、勇気を出して虹力スペースを訪れた子どもの気持ちに寄り添いたい。

 学校でされて嫌だったこと、SNSで目にして傷ついた言葉、親から言われてつらかったこと……。利用者の言葉に、エディさんらは共感を示す。しんどさを言語化することで、違和感が整理され、自分で自分を受け止められるようになるという。

 「SNSやオンラインで救われることもあるだろうけど、リアルで寄り添う場所があることも知ってほしい。家庭でも学校でもない第3の居場所になれたら」

 開館スケジュールはホームページ(https://www.rainbowpride-ehime.org/shisetsu/別ウインドウで開きます)で確認できる。利用には施設維持のため子ども300円以上、大人500円以上のカンパを求めているが、難しい場合は要相談。無料のメール相談も受けている。問い合わせはメール([email protected]メールする)。

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