花を手にフラワーデモに参加する人たち=2020年3月8日、東京都調布市、恵原弘太郎撮影

Re:Ron連載「みたらし加奈の味方でありたい」第16回

 【大学4年生です。最近の性暴力の報道や、SNSでいわれているような週刊誌の情報につらくなります。なんでこんなに気持ちが落ち込むのか考えたときに、自分の体験が関係していることに気づきました。就活のOB訪問で「このあと、家に来ない? 会社にも口添えするよ」と言われて、ついて行ってしまったんです。そのときの記憶は消したいくらいです。ニュースを見ると、毎回それがフラッシュバックして、自分を責めてしまいます。カウンセリングも検討していますが、自分の気持ちの行き場所がなくてメッセージを送りました。私はおかしいんでしょうか。】(モナカ)

 モナカさん、メッセージを送ってくださるとき、ご自身の体験を思い出しながら書かれたと思います。勇気を出して送ってくださって、本当にありがとうございます。

 まず伝えたいのが、あなたは悪くないということ。それでも自分を責めてしまうタイミングもあると思います。あなたがあなた自身を責める声に〝反論〟するための言葉を持っていないのは当たり前のこと。それも悪くないんです。

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「味方でありたい」は、読者の皆様からの悩みやメッセージに答えるかたちでみたらしさんが考えます。LGBTQ+の当事者、支援者の方からもお待ちしています。(相談は記事で紹介する場合があります)

 「同意」というのは、立場に不平等さがある状態では成り立ちません。片方に手綱が握られている状態で、NOを伝えるのは難しい。「それでも自分が選択したことだから」と思ってしまいますよね。でも本来なら、パワーがある側が自分自身をコントロールするべきなのです。性暴力の告発があったとき、「同意したんでしょ? それならあなたにも責任があるのでは?」というセカンドレイプがなされることがあります。しかし「〇〇をするから」という対価を出したり、それをにおわせたりしている時点で、加害者側はパワーを持っている自覚があるんです。そのパワーを行使して、同意を生み出そうとすること自体が暴力的で不健全なのです。

 モナカさんの身に何が起きた…

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