あすを探る 鈴木彩加さん
2023年、刑法の性犯罪規定が改正された。暴行・脅迫に加え、飲酒や「恐怖」「地位利用」などにより同意の意思を示すのが困難な状態も構成要件に加わり、ようやく「同意なき性行為は暴力である」と言える形になった。だが、制度が変わっても、性暴力をめぐる社会の現実が急に変わるわけではない。
この1年、性暴力をめぐる問題が相次いで可視化されている。フジテレビ問題を皮切りに、メディア業界における構造的なハラスメント体質が次々と明かされ、大阪地検では性暴力被害を訴えた女性が組織の対応に異議申し立てをしている。4月には、参院議員秘書による女性記者への性暴力事件をめぐって、国の責任を認める判決が出た。
6人の論壇委員が交代で執筆するコラム「あすを探る」。今月の筆者はジェンダー・社会担当の鈴木彩加・筑波大学准教授です。
スポーツ界も無縁ではない…