Smiley face
性犯罪被害者の支援をしている川本瑞紀弁護士。SNS上のグルーミング被害に詳しく、特定NPO「性暴力救援センター・東京(SARC東京)」の理事も務める=本人提供
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 SNSを通じて知り合った人物に、自撮りの裸の画像などを送ってしまう問題が子どもを中心に広がっています。わいせつな目的を隠して子どもに近づき懐柔する「性的グルーミング」によるものです。画像の拡散に一定の歯止めをかけようと、米国発の仕組みが日本にも導入されました。どんな効果が期待できるでしょうか。そもそもなぜ子どもたちは写真を送ってしまうのでしょうか。性犯罪被害者を支援する川本瑞紀弁護士に聞きました。

  • 性的な自撮り画像拡散させない 新たな仕組み日本でも スマホで申請

 ――なぜ子どもたちに被害が広がっているのでしょうか。

 「中高生くらいの思春期は、周囲と自分を比べて落ち込んだり、友達とささいなことでもめたりして、ただでさえストレスだらけ。グルーミングしようとする人は、子どもたちに無条件の肯定と受容と共感で接してくる。子どもは、無条件に自分を受け入れてくれる人を失いたくないという気持ちが働いて、性的画像を送って欲しいという要求を断れずに応じてしまう」

 「永続的な関係を築こうと思わなければ、いくらでも優しい言葉をかけられる。無条件に優しい人がいたら、大人だったら疑うが、子どもは疑ってしまう自分を責める。グルーミングは、そういう子どもの判断能力の未熟さにつけ込む」

「社会の苦さ」知らないまま世界とつながる子どもたち

 ――SNSの普及も影響していますか?

 「家から一歩も外に出ずに世…

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