「私は、どんなに子どもを抱きしめたい、手をつなぎたいと思ってもできません。今は夢で会うことしかできません」
13日に札幌地裁(小野瀬昭裁判長)で始まった知床観光船沈没事故の損賠訴訟。息子(当時7)と元妻(同42)が行方不明になっている帯広市の男性(52)は、原告側の意見陳述人の一人として法廷に立った。
「無事に帰って来てほしい」。もちろんそう思う。それでも、あえて息子の認定死亡の申請をして、今回の訴訟に参加した。「遺族」として、運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長(61)に直接意見を言う機会を得たい一心だった。
陳述では電車好きの息子につ…