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ファンコニー症候群とは
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 小林製薬(大阪市)の紅麴(こうじ)サプリメントをめぐる健康被害の問題で、日本腎臓学会が4月1日に公表した症例調査では、大半の患者は尿細管の機能が低下し、倦怠(けんたい)感や体のむくみが起きる「ファンコニー症候群」が疑われた。学会副理事長で、今回の分析に携わった猪阪善隆・大阪大教授(腎臓内科)に、同症候群の特徴や原因などについて聞いた。

――ファンコニー症候群とは。

 腎臓は糸球体と尿細管が集まる形になっています。糸球体は血液中の老廃物を濾過(ろか)するふるいの役割をし、尿細管は体にとって重要なブドウ糖やアミノ酸、ミネラルなどを再吸収して血液中に戻す働きをしています。

 この尿細管がダメージを受けると、再吸収ができなくなり、尿に糖が出るほか、カリウムやリンといった電解質や尿酸が失われ、低カリウム血症、低リン血症、低尿酸血症が起こります。ナトリウム、水なども失われるため、脱水状態にもなります。血液をアルカリ性に保つために必要な重炭酸イオンを体に戻せなくなり、血液が酸性になる「代謝性アシドーシス」にもなります。こうした状態をファンコニー症候群と言います。

――一般的な原因は。

 ファンコニー症候群は尿細管の遺伝的な異常により起きることがあります。それ以外では、抗がん剤や抗ウイルス薬、鎮痛薬などの薬剤によって引き起こされることが多いです。これらの薬は尿細管を通して排出されます。尿細管細胞には薬剤が集まりやすく、副作用でダメージを受けやすい。これらの薬が原因となるのが一般的ですが、今回のようなサプリでも起きることがあります。

短期間で発症「作用強い」

――症状が悪化するとどうなりますか。

 ひどくなると尿細管細胞が死んでしまう「尿細管壊死(えし)」が起こります。日本腎臓学会が4月1日に公表した中間報告でも、腎臓の組織を調べる腎生検でそういった所見がありました。

――患者がサプリをのみ始めた…

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