「予防接種」のように先回りして正しい情報を広げておくと、「不正選挙」を訴える誤情報に対し、後から誤りを指摘して修正するよりも効果的な可能性がある――。米英などの研究チームが、「プレバンキング」と呼ばれる手法の効果を調べた結果を発表した。民主主義の基盤となる選挙への信頼維持に有効な手法として期待される。

 論文は29日(日本時間30日)に科学誌サイエンス・アドバンシズで発表した(https://doi.org/10.1126/sciadv.adv3758)。

「不正選挙だ」という誤情報 世界中で課題

 選挙に不正があったとの誤情報を訴え、候補者や支持者が結果を受け入れない事例は世界中で問題になっている。米国のトランプ大統領は2020年の大統領選で敗れた際、不正選挙を根拠なく主張し、支持者らが連邦議会議事堂を襲撃。ブラジルでも22年の大統領選で敗れたボルソナーロ前大統領が敗北を認めず、支持者らが大統領府を襲撃する事態に発展した。

2021年1月6日、米首都ワシントンの連邦議会議事堂に集まったトランプ大統領の支持者たち=ランハム裕子撮影

 研究チームはこの2国を対象に、二つの誤情報対策の有効性を調べた。

プレバンキングと事後的な修正を比較

 一つが「プレバンキング」だ。例えば、選挙前にあらかじめ誤情報が流れそうな話題について正しい情報を広めておく。すでに拡散した情報を後から検証する「ファクトチェック」よりも効果が期待され、近年注目されている。

 もう一つは「信頼できる情報…

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