亡くなった西田倖さんの友だちからの手紙を読む父・圭さん=2024年11月3日、札幌市、新谷千布美撮影

 人を幸せにするように――。願いを込めて「倖(こう)」と名付けた。陽気でやんちゃな性格で、周りの人を笑わせるのが好きだった。

 9歳の息子を奪われた父親が今月16日、札幌市内で講演する。これまで匿名で取材に応じてきたが、息子と同じ事故に遭う犠牲者を出したくないと、実名で訴える覚悟を決めた。

 西田圭さん(49)。

 三男の倖さんは、5月16日午前8時20分ごろ、青信号で横断歩道を渡っていた時にワゴン車にはねられた。小学校への登校中だった。

 圭さんは東京で単身赴任をしていた。出勤中に妻からの電話で事故を知った。妻も連絡を受けたばかりで、病院に向かっているという。「意識はあるみたい」。そう聞いて、「骨折かな」と心配しながら出勤した。

 約1時間後に届いた知らせは「倖、だめだった」。

 倖さんは事故直後「痛い」「…

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