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【動画】駅のホームまで火が迫った伊予桜井駅と木材を保管していた工場の様子=長野誠さん、和田翔太撮影

 愛媛県今治と西条の両市にまたがる山林火災は27日、発生から5日目となっても鎮圧の見通しは立っていない。火災現場の上空は早朝は灰色の雲に覆われており、日中からはまとまった降雨が見込まれる状況だ。

 県災害対策本部の集計では、焼失面積は26日午後2時現在で417ヘクタール。

焼失エリアの地図

 同県今治市の7地区3056世帯5988人、隣接する西条市の1地区792世帯1506人に避難指示が出されている。今治市では27日午前6時半現在で56世帯77人が避難している。

 西条市ではグループホームなどの利用者と職員ら123人が避難所で過ごしている。

 松山地方気象台が発表した天気予報によると、27日の県内は曇りのち雨。前線や湿った空気の影響で断続的に雨が降る地域があるとみられる。

山林火災で燃えた場所を警戒してまわる消防署員=2025年3月27日午前6時37分、今治市桜井、木野村隆宏撮影

 「疲労がないと言ったら噓になります。今日雨が降ってくれることに期待します」

 27日早朝、今治市役所朝倉支所にある統括指揮本部にいた消防署員がそう漏らした。

消火活動の拠点となっている今治市の多目的公園には愛媛県内から招集された消防車が集まっていた=2025年3月27日午前7時57分、今治市朝倉下乙、木野村隆宏撮影

 集落への延焼を防ごうと消火活動は徹夜で続けられている。3人が体育座りの状態で仮眠をとっていた。「休めるタイミングで休むしかないんです」

 「家に帰れたのは5時間も無いと思います。この5日間で寝られたのは10時間も無いくらい」と話す男性署員もいた。

山のあちらこちらから煙が上がっていた=2025年3月26日午後2時4分、愛媛県今治市、朝日新聞社機から、小林正明撮影

 強風にあおられた火の粉が方々に飛び、消火活動は同時多発的に起きている。目の回るような忙しさだ。25日には発生後、初めて建物に延焼し、被害が確認された。

 飛び火はある程度想定していたが、焼失エリアの拡大は想像以上だったという。

 「火が尾根から尾根にジャンプしたようだった」

 岡山市南区の飽浦地区の山林火災も発生から5日目を迎え、市消防局や自衛隊などが地上や上空からの消火活動を継続している。

 焼失面積は26日午後7時時点で約559ヘクタールに及ぶ。市災害対策本部などによると、「半島北側に向かって飛び火により緩慢に延焼拡大している」状況だが、民家などへの新たな被害が確認されていないという。鎮圧の見込みは立っていない。

山のあちらこちらから煙が上がっていた=2025年3月26日午後1時38分、岡山市、朝日新聞社機から、小林正明撮影

 避難指示が出されている南区小串地区で開設されている中学校の避難所には午前7時現在で4人が滞在、公民館はゼロになった。

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