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保育士が持つ絵本に見入る子どもたち=2022年6月
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 4月に子どもが保育園に入った途端、くり返し感染症にかかってしまうことを、最近は「保育園の洗礼」と呼ぶそうだ。つらいのは子どもばかりではない。親は仕事中、保育園から発熱した子を迎えに来るよう呼び出される。この「洗礼」、いつまで耐えればいいのか。

数週おきに発症、遅れて親も

 記者(41)の1歳の娘は4月に保育園に入った。それ以来、数週間おきに、せき、鼻水、発熱、下痢といった症状を繰り返してきた。夜中、せき込んで目を覚ます姿には胸が痛む。

 保育園に娘を送るとき、周りの友だちを見ると、みんな鼻水がたらり。保育士からは「今は下痢の子が増えています」と聞かされる。まもなく娘も、遅れて私も発症するのがもはや恒例となっている。

 これまでの診断は、すべて風邪か感染性胃腸炎。せき止めシロップ、解熱鎮痛剤、整腸剤などを処方され、幸い、重症化することはなかった。

 ただ、保育園で娘が発熱して迎えに来るよう電話で呼ばれたときは、慌てて取材予定をキャンセルせざるを得なかった。

 大正製薬が今年実施したインターネット調査によると、子どもを保育園に通わせる親254人のうち、4~6月に子どもが風邪をひいて保育園を休ませた経験がある保護者は83・5%にのぼった。休ませる原因となった症状の上位は、鼻水、熱、せきだった。

記事の後半では、この夏に要注意の感染症とその特徴を紹介します。

 なぜ、保育園に通い始めると「洗礼」は起きるのか。そして、いつまで続くのか。

専門家が挙げる2つの理由

 子どもの感染症に詳しい新潟…

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