本塁打を放った慶大の渡辺憩=神宮球場

 東京六大学野球で、慶大の渡辺憩(けい)が、2年生ながらレギュラーの座を不動のものにしている。

 2023年夏に慶応高が107年ぶりに全国優勝した際の正捕手。173センチ、70キロと小柄だが、パンチ力のある打撃で7番に座り、守っても思い切りの良いリードが光る。

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 バッテリーを組むエースで主将の外丸東眞(4年、前橋育英)も、「自信を持ってサインを出してくれるので、自分も自信を持てる」と信頼を置く。

 慶大に入学した昨春のリーグ戦で初打席サヨナラ本塁打を放ち、鮮烈なデビューを飾った。昨年は、春秋計18試合に出場。大学レベルの速い球と変化球に対応するため、バットを振り込んだ。通算打率は3割を超え、2本塁打も記録した。

「割り切って振ろう」とソロ本塁打 守備に課題も

 昨秋からレギュラーに定着したが、今春の打率は2割まで落ち込んだ。好調な時は思い切りが良いスイングをしていることを思い出し、思考をシンプルにして臨むことに。

 「打席では悩まずに、割り切って強く振ろうと思った」と、4日の東大戦で通算3号となるソロ本塁打を放った。一方、同じ試合で守備面で課題が出た。3盗塁を許すなど送球が安定せず、「基礎から見つめ直したい」と誓った。

 堀井哲也監督は勝負強さや打撃力を踏まえ、「スケールの大きい捕手になれる」と太鼓判を押す。高校生年代での頂点を経験した背番号12は、大成への期待を一身に受けている。

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