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性同一性障害特例法の規定に関する最高裁決定後の記者会見で、「違憲」の紙を掲げた申立人代理人の弁護士たち=2023年10月25日、東京・霞が関、田中恭太撮影

あすを探る 青井未帆さん

 最高裁は、2023年と24年に立て続けに、生殖機能への制約に関わる法について、憲法13条に違反するとした。最高裁が法令の規定について13条違反を判断したのは、23年が史上初めてである。13条は「すべて国民は、個人として尊重される」などと謳(うた)っているところ、最高裁は「自己の意思に反して身体への侵襲を受けない自由」を導き、違憲判断を下した。

 6人の論壇委員が交代で執筆するコラム「あすを探る」。今月の筆者は、憲法担当の学習院大学教授・青井未帆さんです。

 13条違反とされるのがいかに重大なことか、確認しておきたい。日本国憲法は明治憲法の改正として制定された経緯もあり、第1章を天皇関係、第2章の1カ条(9条)を平和条項として、これらの後ろに、基本的人権を保障する第3章を掲げている。

 そこで13条は条文番号こそ13であるものの、個人をすべての価値の淵源(えんげん)とする日本国憲法の理念を示す、根本的な条文である。したがって、13条違反と裁判所に断ぜられるような法律を立法府が制定することは、極めて異常な事態である。

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 ではどのような立法が違憲と…

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