米軍によるイラン核施設の空爆と、急転直下の停戦合意。その背景には何があったのか。イスラエルが目指す「イランの体制転換」は、中東や世界に何をもたらすのか。イランをめぐる国際関係を研究する田中浩一郎さんに読み解いてもらいました。
――今回の紛争をどう見ていますか。停戦合意で沈静化するのでしょうか。
「イラン、イスラエルの双方とも、いちおう公式には停戦受け入れを表明しましたが、その後も攻撃の応酬は続きました。戦闘が本当に終結するかどうかはかなり不透明だと思います」
――停戦合意の実効性が乏しいのでしょうか。
「一言でいえば、トランプ米大統領の勇み足でしょう。まず、トランプ氏が停戦を公表した時点で、イスラエルが同意していたかは極めてあやしい。イスラエルは、イランの体制転換まで視野に入れているので、ここで止めたくはないのが本音だと思います」
「イラン側も、軍事的には劣…