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前半、先取点となる直接FKを決めて駆け出す東京ヴェルディのFW山田楓喜
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 (22日、サッカーJ1 東京ヴェルディ2―0サガン鳥栖)

 ゴールのにおいが色濃く漂った。前半、東京ヴがペナルティーエリアのすぐ外、ゴール正面やや右のFKを得た瞬間だ。

 東京ヴには、左足のキックを強みと自負するFW山田楓喜がいる。「決める自信しかなかった。流しこむだけだった」。美しい弧を描いて壁を越えたボールが、ゴール右上を捉えた。2試合連続得点、そして直接FKでは今季3点目だ。

 このFKを得たFW木村勇大もまた、その個性が光った。体格をいかして最前線でターゲット役をこなす23歳は「俺が(DFに1対1で)負けなければ流れが来る」。くさびのパスを受け、反転。力強い突破に、たまらず相手は反則で止めざるをえなかった。

 こうした個の力が、組織として結びつくから強い。ここ一番の好機はもちろん、「苦しい時間帯も全員で意識して耐えられる」と山田楓。彼にしても木村にしても、前線から相手を追いかけることをいとわない。城福浩監督は「アグレッシブにいくところと、辛抱するところのメリハリを全員がつけられている。成長を感じる」と納得顔だ。

 エムボマや元日本代表の三浦淳宏がいた2003年以来となる、J1での4連勝だ。6位につけ、山田楓は言う。「驚いてもいないし、もっと上にいけるチーム」「成長を止める選手はここにはいない。それがやっと試合に出ている」

 16年ぶりのJ1を戦う名門が、終盤まで上を見続けている。(藤木健)

 木谷監督(栖) 5連敗で9戦勝ちなし。「試合を決めるのに大事なのは両ゴール前。必要なものは勝ち点3で、まだまだ足りないところがある」

 森田(ヴ) 21年ぶりの4連勝に「あまり考えてはいなかった。チームとして積み重ねた結果で、これからも目の前のやるべきことに目を向けていく」。

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