全国戦没者追悼式で、式辞を述べる石破茂首相=2025年8月15日午前11時55分、東京都千代田区、上田幸一撮影

 戦後80年の節目となる今年、石破茂首相は全国戦没者追悼式の式辞に独自色を織り込んだ。「反省」は、戦争を繰り返さないために不可欠――。そんな強い思いがあったが、安倍晋三元首相が封印した言葉の復活は、自民党保守派などの反発を招く可能性がある。

  • 【石破首相の式辞全文】「あの戦争の反省、深く胸に」 戦没者追悼式

 「戦争の惨禍を決して繰り返さない。進む道を二度と間違えない。あの戦争の反省と教訓を、今改めて深く胸に刻まねばなりません」

 首相は3分にわたり、式辞を読み上げた。周辺は「式辞は時間も文字数も限られるが、首相は特に『戦争の反省と教訓』の部分に思いを込めた」と明かす。政治が軍を統制する「文民統制」が機能しなかったことを含め、なぜ先の大戦を止められなかったのか。経緯を検証し、反省することが戦争を再び起こさないために必要だと考えているという。

表現に首相の強い意向

 式辞をめぐっては、1993…

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