戦後80年となる今年、天皇、皇后両陛下は大きな戦禍を被った地をめぐり、戦争の記憶を語り継ぐ人々を訪ねる。天皇の名の下に戦った先の大戦。その重い歴史を背負った皇室と80年のあゆみをたどる。
「令和の戦没者慰霊」の皮切りとなるのは、4月7日の硫黄島(東京都小笠原村)訪問だ。上皇ご夫妻は平成の天皇、皇后在位時の1994年に硫黄島を、戦後50年の95年には戦没者慰霊のため長崎、広島、沖縄などを訪れた。それらの地を、今の両陛下が30年後に改めてたどる旅になる。
知られざる歴史に「光あてて」 関係者が寄せる思いは
天皇陛下は2月の会見で、戦後80年にあたり、「各地で亡くなられた方々や、苦難の道を歩まれた方々に、改めて心を寄せていきたい」と述べた。宮内庁関係者によると、6月には沖縄、広島、9月には長崎で戦没者を慰霊する方向だ。皇太子、皇太子妃時代から沖縄、広島、長崎といった地を幾度となく訪れ、被爆者や戦争経験者らから話を聞き、交流している。
天皇陛下は、長女愛子さまに…