今も昔も、戦争には性暴力がついて回ります。それは「戦争だから」起こるのでしょうか。小説「翡翠(ひすい)色の海へうたう」で、戦時中に朝鮮半島から沖縄に連れてこられた慰安婦の女性たちを描いた深沢潮さんに話を聞きました。
◇
戦争には必ず、性暴力や性搾取がついてきます。「慰安所」を設けた旧日本軍は言うまでもなく、他の国の軍隊にも似たような暴挙はありました。沖縄では今も、米兵による性暴力が問題となっています。でも、「そういうもの」と相対化してひとごとにするのではなく、「自分のこと」と捉える必要があるでしょう。
戦時中に朝鮮半島から沖縄に連れてこられた慰安婦について、証言を聞いたり、資料を読んだりしてきました。感じたのは、「今の私たちの生活と地続きだ」ということです。彼女たちは決して特別ではなく、同じように日常を暮らしていた。でもその背後に、貧しさや植民地支配など構造的な搾取や暴力が存在していました。
自分の体験とつながった
その姿は、自分自身の体験と…