特攻で亡くなった伯父の高橋峯好さんについて語る、高徳えりこさん=2025年7月10日、神奈川県三浦市立三崎小学校、上田学撮影

 少年兵のことを今に伝えようとしている人たちがいる。

 「特攻のことを知っていますか」

 神奈川県三浦市の三崎小学校6年生の教室で7月にあった特別授業。元養護教諭、高徳えりこさん(58)が子どもたちに語りかけた。「戦争で追い詰められた日本軍は爆弾を抱えて体当たりさせる作戦を打ち出しました。私のおじさんも亡くなってしまい、今でもとても悔しいし悲しい」

 高徳さんが語り部を始めたきっかけは、10年前に終戦70年を記念して復刻出版された1945年の「復刻アサヒグラフ」。子犬と人形を抱えてほほえむ飛行服姿の少年兵が写った表紙の写真に、ピンときた。目元が、若い頃の亡き父と自分の息子にそっくりで、「身内だ」と思った。

 母親に尋ねたり、記録を調べ…

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