YouTubeが始まって今年で20年。発信者の年代や動画の内容も多様になった。茨城県の96歳・千代さんは、「最強ばあちゃん」の愛称でYouTube上で活動する。チャンネルの総再生数は1億回超。戦中・戦後を乗り越えてきた千代さんの自然体な暮らしが魅力だ。
ウルトラマンの人形で、4歳の玄孫(やしゃご)と遊ぶ。怪獣を手に持った千代さんは、ちゃめっ気たっぷり。「ポンポンポンポン」と言いながら玄孫の玲央ちゃんに近づけ、「キュー」と押し当てる。「そういう遊びじゃないよ」と玲央ちゃん。今度は千代さん、人形を二つ手に持ち、ふざけて自分の顔にくっつける。「それじゃないってば」。玲央ちゃんが笑う。結局、じゃんけんで勝ったほうが人形をもらえるゲームをすることに。年の差92歳の2人がじゃれ合う、自宅での日常を映した動画だ。
3年前に、ひ孫の唯さん(26)が、千代さんと家族との関わりを映したチャンネル「最強ばあちゃんときどき玄孫」を立ち上げた。幼い玄孫たちに、「将来、素敵な高祖母がいたことを覚えていてほしい」という思いからだった。登録者数は13万人超。「よくわかんねぇが、やってみると楽しいもんだな」と千代さん。
取材で茨城県の自宅を訪れると、千代さんはスタスタと軽快な足取りで、自宅の隣の500坪の畑を案内してくれる。「趣味っていえば、畑ぐらいだな」。巨大な大根を、力強く引っこ抜く。多い年は、1年で約40種類の野菜を育てるという。
配給の玄米をたたいて白く 大豆のかすを混ぜて
耕す。収穫する。調理して…