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スーダンの首都ハルツームのジェレイフ・ウェスト地区で、重度の栄養失調になった娘をあやす母親=2025年3月28日、ニューヨーク・タイムズ

Trump’s Aid Cuts Hit the Hungry in a City of Shellfire and Starvation

 スーダンの首都ハルツームで子供たちが次々と亡くなった。戦火で街が荒廃し、その一隅で深刻な栄養失調にさいなまれた12人の幼児だった。生後18カ月の男児アブドは危篤になり、母親があたふたと診療所に運び込んだ。衰弱し、胸にはあばら骨が浮き出ていた。翌日、彼は目を閉じたままになり、テディベアの絵柄の毛布に医師が静かに横たえた。

 スーダンの現地援助スタッフや医師によると、トランプ米大統領が対外援助を凍結した後の数週間で、ほかの11人の幼児と同様にアブドは餓死した。アブドの家の近くでも炊き出しをしている各給食施設[soup kitchens]は米国の資金援助で運営されていたもので、戦火にさらされる何万もの人にとって唯一の生命線[only lifelines]になっていた。爆弾が続々と落とされ、銃撃も至る所で発生していた。そして米国からの資金が途絶えると、数百カ所もの給食施設が数日のうちに閉鎖された。

 「悲惨な状態だった」と援助活動に携わるドゥア・タリクが言った。

 スーダンでは残忍な内戦のために人道に反する大惨事が引き起こされ、国民の半数を超える2500万人が厳しい飢えのさなかにある。トランプ政権の対外援助削減策はさらに深刻な事態をもたらしており、その悪影響がスーダンほど明確になった場所は他にほとんどない。

 スーダン内戦は3年目に入り、複数の援助団体によると、ここ数十年では世界で最悪の人道危機になった。飢饉(ききん)が急速に拡大し、葉や草を食べて飢えをしのぐ人たちもいる。国連によると、同国西部ダルフールでは、準軍事組織の戦闘員たちが国内最大の難民キャンプに来襲する暴挙に及び、4月中の1週間だけで約40万人が離散したほか、数百人が殺された。

  • 【注目記事を翻訳】連載「NYTから読み解く世界」

スーダンの国民のうち60万人以上が飢餓に苦しんでおり、800万人が飢餓直前の「崖っぷち」の状況にある、とNYTは報じます。米国からの援助は滞る一方、他の先進国もこれまでの米国の役割は果たせていません。

 国連の推計によると、米国は…

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