20世紀の前半は、二つの大戦が日本と世界を大きく揺るがした。大戦は日本と世界の関係をどのように変え、現代に至るまでどう影響を及ぼしているのか。日本の戦間期や大正時代についての著作がある、ペンシルベニア大のフレドリック・ディキンソン教授(日本近現代史)に聞いた。

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米ペンシルベニア大のフレドリック・ディキンソン教授=2025年7月24日、米フィラデルフィア、中井大助撮影

 ――第1次世界大戦に注目する理由は何ですか。

 「第1次大戦から戦間期を見ることで、20世紀の間に日本がどのように変化したのか、分かるようになります。第2次世界大戦はもちろん大きな出来事なのですが、時間が経つに連れ、個別の戦争というより、20世紀の出来事の一つとして捉えるべき必要が生じています。また、20世紀の日本や日米関係を知るためには、第1次大戦からスタートすべきです」

 「第1次大戦で、日本は連合国側の勝利に大きく貢献しました。日本の中ではドイツやオーストリア・ハンガリー帝国の側につくべきだという議論があり、もしそのようになれば今日の世界もかなり変わっていた可能性があります。しかし、そうはならず、第1次大戦後の世界的な平和に向けた取り組みに日本が組み込まれていきます」

アメリカより国際協調に積極的だった

 ――具体的にはどのような取り組みでしょうか。

 「1918年の段階では『こ…

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