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 青森県五所川原市の三柱神社に、特攻に使われた旧陸軍の戦闘機「隼(はやぶさ)」に似た模型が奉納されている。地元でもあまり知られておらず、朽ちはじめた機体を保存しようと、地元の有志が立ち上がった。珍しい戦争遺物に込められた思いとは。

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最近まで軒下にぶら下げられていた戦闘機の模型=2024年11月1日午前11時52分、青森県五所川原市、三柱神社奉納模型飛行機保存プロジェクト提供

 戦闘機の模型はケヤキ製で、翼の幅220センチ、プロペラから尾翼までの長さ110センチ、胴体の太さは直径20センチほどのサイズ。プロペラが動き、胴体下には爆弾を抱えている。左右の主翼に「若櫻(さくら)」、エンジン部分に「見敵必滅」(敵にあったら必ず滅する)と書かれ、尾翼に奉納者の泉谷幸衛さん(1928生まれ)と白川章一さん(1927生まれ)の名前がある。

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三柱神社に奉納された白川章一さんの額。建物にぶら下げられた飛行機の模型の様子が分かる=2025年6月28日午前10時42分、青森県五所川原市、江湖良二撮影

 今年5月ごろまで神社の建物の軒下にぶらさげられていた。風雨にさらされ一部は腐食している。

 模型の保存を始めたのは「三柱神社奉納模型飛行機保存プロジェクト」代表で自営業の久保泰太郎さんと元海上自衛隊パイロットの長谷川卓央さんら。旧金木町(現五所川原市)出身で民間パイロット第1号とされる白戸栄之助を研究する一環で、地元の神社に戦闘機の模型があると知った。戦後80年の節目にあたり、由来を調べるため遺族や神社の関係者に当たった。

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