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関東信越国税局が入るさいたま新都心合同庁舎=さいたま市中央区

 所在地を変えても逃しません――。業務用に仕入れた切手を会社の代表者が換金し着服したとして郵便発送代行業者の2社が、約8億円の所得隠しを指摘されたことがわかった。2社は会社の所在地をひんぱんに移すなど調査逃れを図った形跡があったが、関東信越・東京の国税局が連携して調べ、2023年までの7年間に重加算税を含め約4億円を追徴課税したという。

  • 【用語解説】脱税、所得隠し、申告漏れ…違いはなに?

 関係者によると、「メディアサービスジャパン」(新潟県)と「NP」(東京都渋谷区、22年清算)の2社は、ダイレクトメールの発送業務に使う切手を仕入れ、会社の経費として計上した。

 一方、国税局が調べたところ、2社の代表を務める男性(58)がひんぱんに切手を社内から持ち出して金券ショップで換金し、さらに私的に流用していたことが判明した。総額は約8億円にのぼるという。

 国税局は、換金分は会社の収入として計上するべきなのに除外していたと判断。意図的で悪質だとして重加算税の対象とした。

 朝日新聞は代表に取材を申し込んだが、回答はなかった。

登記は「佐渡島」 営業実態は

 メディア社は13年に東京都千代田区で設立し、19年に登記を新潟県の佐渡島に移した。NP社は18年に東京都中央区で設立し、20年に佐渡島、21年に渋谷区に移転し22年に清算していた。

 だが、関係者によると、2社…

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