東京都西東京市のスーパーで12日午前、80代女性がエスカレーターの手すりと床の間に首が挟まった状態で見つかり、死亡する事故があった。日本エレベーター協会の調査では、事故原因として「転倒」が最も多く、60歳以上が目立つ。手すりが原因の死亡事故は過去にも相次いでおり、消費者庁などは注意を呼びかけている。
警視庁によると、女性は、1階から地下1階に下りるエスカレーターで、降りる間際に転倒したとみられ、手すりと床の間に首がはさまったという。女性は仰向けで倒れていた。歩行を補助するシルバーカーで移動していたという。
消費者庁の調査などによると、2004年6月から24年3月でエスカレーターでの死亡事故は少なくとも7件起きている。
今年3月下旬には、JR水戸駅の上りエスカレーターで、会社員の男性(72)が倒れ、その後死亡する事故が発生。上着の一部が手すりに巻き込まれ、その際に強い力がかかったとみられる。
後ろ向きの状態で接触
消費者庁の報告書によると、2009年4月に東京都港区の複合ビルで発生した事故では、下りエスカレーターの乗り口付近に立っていた男性(当時45)が、後ろ向きに立った状態で手すり部分に接触。お尻付近が手すりに当たった状態で体ごと持ち上げられ、吹き抜け部分から約9メートル下に転落して死亡した。
事故を調査した消費者安全調査委員会は、エスカレーターの手すり部分に接触すると、体勢を不安定にさせ、場合によっては体を持ち上げる可能性があると分析。日本エレベーター協会の基準において手すりへの接触予防対策を規定することが有効だと提言した。
04年6月には、兵庫県西宮市のショッピングビルで、男児(同2)が4階下りエスカレーターの手すりから吹き抜け構造になった約10メートル下の2階フロアに転落して死亡。手すりのベルトに触るなどして遊んでいるうちに体がベルトに乗り、エスカレーターの外側に落ちたとみられている。
シルバーカー使用の事故も
日本エレベーター協会が5年…