ママの手が震え、指がうまく開かないのが、治療が難しい病気のせいだと知った少年は、ある装置を発明した。「難病のママとずっと手をつないでいたい」。そんな思いが原動力だった。
小学生の発明家は、愛知県刈谷市の佐々木大河さん(9)。地元の「刈谷少年少女発明クラブ」に所属し、おもちゃも自分で作れる腕前だ。
母親の一湖(かずこ)さん(40)は「平山病」という患者数が少ない神経系の疾患を抱えている。国の指定難病ではないが、完治は難しく、日常生活に支障が出る。大学生だった約20年前に突然発症した。
ふだんの日常では箸が持ちづらかったり、ボタンが留めにくかったり。痛みはないが、手の指が開きにくく、手のけいれんや震えなどがある。
「何とかママの役に立ちたい」
約2年前、開発のきっかけとなった出来事があった。一湖さんはいつもより、首や肩に違和感があり、手が使いにくいと感じた。だが病院で検査を受けても、悪化は確認されない。
病状を指標や数字に基づいて…