発明した「パー力測定器DX」を持つ佐々木大河さんと母の一湖さん=2024年4月13日午前10時58分、愛知県刈谷市、野口駿撮影
  • 写真・図版

 ママの手が震え、指がうまく開かないのが、治療が難しい病気のせいだと知った少年は、ある装置を発明した。「難病のママとずっと手をつないでいたい」。そんな思いが原動力だった。

 小学生の発明家は、愛知県刈谷市の佐々木大河さん(9)。地元の「刈谷少年少女発明クラブ」に所属し、おもちゃも自分で作れる腕前だ。

 母親の一湖(かずこ)さん(40)は「平山病」という患者数が少ない神経系の疾患を抱えている。国の指定難病ではないが、完治は難しく、日常生活に支障が出る。大学生だった約20年前に突然発症した。

 ふだんの日常では箸が持ちづらかったり、ボタンが留めにくかったり。痛みはないが、手の指が開きにくく、手のけいれんや震えなどがある。

「何とかママの役に立ちたい」

 約2年前、開発のきっかけとなった出来事があった。一湖さんはいつもより、首や肩に違和感があり、手が使いにくいと感じた。だが病院で検査を受けても、悪化は確認されない。

 病状を指標や数字に基づいて…

共有
Exit mobile version