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雪に覆われ始めた月岡地区のスギ林。地元住民はバイオマスによる有効活用に期待を寄せる=2024年11月19日、山形県西川町、松村北斗撮影
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 人口減少が進み、間伐や手入れが行き届いていない山林を、バイオマス発電に有効活用しようという取り組みを、山形県西川町が進めている。NTT東日本が協力し、町に不足しているノウハウを提供しつつ、電力を使って生産・加工した農産物の販売を支援するのが特徴だ。生物多様性が豊かな自然環境の保全を支援することも検討している。

 山形市から北西に約30キロ。出羽三山の一つ・月山のふもとに広がる西川町は町の面積の約9割を森林が占める。

 役場から車で約15分、本道寺・月岡地区のスギ林を案内してもらった。80ヘクタール近い町有地を地区が借り受け、そこに住民が個人の財産としてスギを植えている。多くは樹齢約50年から60年、伐採に適した時期を迎えている。「おやじたちの世代にとって、ブナなどの広葉樹を切ってスギを植えるのが夢だった。当時は木材価格も高く、何本か切って売れば公務員の月給くらいになった」。本道寺地区会長の山内善信(よしのぶ)さん(75)はそう振り返る。

 今も西川町を含む西村山地域のスギで質の良いものは「西山杉」として公共施設などで使われている。一方で、外国産材の輸入拡大で国内の木材価格は1980年代前半をピークに長期低迷が続く。日本不動産研究所の資料によると、切りどきを迎えた県内のスギの立ち木1本の価格は4千円ほどとされる。

 案内してもらったスギ林も、間伐が十分されておらず、木々の間隔が狭かったり、幹の途中で枝が出ていたりする木も少なくなかった。「伐採しても伐採や運び出す費用を差し引くと、手元にほとんど残らない。採算が合わないので、ずっと手入れされずにきた」。地区会事務局長の宮林良幸さん(75)は語った。

 西川町の高齢化率は2022…

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