「頭部を隠そうとは思っておらず、損壊を手助けするつもりもまったくなかった」
札幌すすきののホテルの一室で頭部のない男性（当時62）の遺体が見つかった事件の裁判が4日、札幌地裁で始まった。中心は田村瑠奈被告（30）=殺人罪などで起訴=とされるが、最初に法廷に立ったのは、母1人。時折、声を詰まらせながら無罪を主張した。
男性の遺体が見つかったのは昨年7月2日。北海道警は約3週間後、男性の遺体を傷つけた死体損壊、頭部を持ち去った死体領得、自宅に隠した死体遺棄の容疑で親子3人を逮捕。8月には殺人容疑で3人を再逮捕した。
札幌地検は3人に対し、事件当時の精神状態を調べるための「鑑定留置」を約半年間実施。今年3月、3人の共謀は問えないと判断し、それぞれ別の罪で起訴した。
母の浩子被告（61）は自宅に頭部を隠すことを容認するなどした、死体遺棄幇助（ほうじょ）と死体損壊幇助の罪のみが問われた。
この日の法廷で、弁護側は浩…
