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トークイベントに登壇した、りんたろうさん=2025年6月5日午後、東京都中央区、照井琢見撮影
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 第29回手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)の贈呈式が5日、東京・築地の浜離宮朝日ホールであった。「1秒24コマのぼくの人生」でマンガ大賞を受賞したアニメーション監督のりんたろうさんは、記念のトークイベントで、かつて仕事をともにした手塚治虫さんの素の一面を明かした。そこには「マンガの神様」というイメージとは違う顔があった。

 「1秒24コマ」は、りんたろうさんの自伝を仏語圏のマンガ「バンド・デシネ」として描いたもの。手塚治虫さんの設立した虫プロダクションでアニメ制作に携わった日々も描かれている。

 りんたろうさんはイベントで、虫プロ時代の思い出を語った。入社後は、経済的に厳しい状況が続いたようだ。

 「その頃、虫プロは収入が一切無いんです。30人ぐらいいたんですが、みんな手塚治虫の原稿料で食べていました」

 いくらなんでも、このままでは。そうして乗り出したのが、日本初のテレビアニメーション作品「鉄腕アトム」(1963~66年)だった。

 「僕らがみんな20代で、手…

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